緑茶はダイエットに本当に効くのか?健康情報の落とし穴

ダイエット
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本当に緑茶はダイエットに効果があるのか?

 緑茶は健康にいいってよく聞きませんか?

 緑茶に含まれるカテニンやポリフェノールは身体にいいって聞いたことありますよね。

 緑茶のダイエット効果についてGoogleで検索してみると

とたくさん記事が出てきます。

一番上に出てくる山麓園というお茶屋さんのHPは、論文も引用してお茶がダイエットに効くと書いてあります。

今回は、医師である私Dr.Andyがお茶が本当にダイエットに効果があるのか科学的根拠(エビデンス)を検証してみたいと思います。

みんな大好きWikipediaをたどってみる

多くの人が検索につかうWikipediaにはなんて書いてあるのでしょうか。Wikipediaの緑茶のページをみると

緑茶の作り方とか勉強になりますね。一番茶、二番茶、三番茶とかあまり知らなかったです。

さて、更に下をみていくと医薬的効果という欄があります。

Wikipediaにも、「体重減量のエビデンスがあるとは確認できなかった」と書いてあります。

次に引用元を見てみます。

厚生労働省の『「統合医療」に係る情報発信等推進事業』というページが引用されていました。統合医療とは、漢方や鍼灸、そしていわゆる民間療法のようなものと、今の日本で一般的に行われている西洋医学を併用して治療をするという医学です。西洋医学は、科学的根拠がないと国の承認が得られませんが、それ以外の分野は伝統的に行われていたり、民間療法はそもそも健康保険の適応外なので半ば野放し状態なのです。

さて、緑茶に関するページを見てみます。

ここにも、緑茶のエキスが肥満の成人の減量に効果があるという報告はないと書いてあります。

では、このページは何を根拠にしている?

このページはアメリカのNIH(National Institute of Health)という公的機関が、代替療法・統合医療に関する情報提供しているNational Center for Complementary and Integrative Healthのページを翻訳しているようです。

科学者として真面目に文献検索してみる 

 ここで終わったら一般の人と同じ程度の検討になってしまうので、普段診療をするときに科学的根拠を検索する手法で緑茶のダイエットに関する効果を検討していきたいと思います。

 医療系の論文データベースPubmedで検索してみます。

 2012年にそれまでに出版された論文を網羅的に調べてその時点での科学的根拠を検討したSystematic reviewという方法の論文が出ています。1) 現時点では、このようなシステマティックレビューが最も科学的な根拠が強いとされています。

 

 このシステマティックレビューの論文を見てみると、最終的に緑茶の減量に対する効果を検討した18の研究が見つかりました。この内体重減少について検討した14の研究の結果をまとめると緑茶の減量効果は3ヶ月で‐0.95 kgと推定され、95%の確率で-0.15kg〜-1.75kgの減量効果があると推測されます。この3ヶ月で1kg未満の減量効果というのは、現実的にはあまり意味のない効果だとも考えられます。しかもこれらの研究は、質のばらつきが大きいという問題がありました。そこで質の高い研究のみに絞って結果をみてみると、減量の効果は無さそうという結果になりました。

 ということでこの2012年までの研究をまとめると、緑茶には意味のある減量効果は期待できないという結論になります。

 Googleで最初にでてくるページの内容と科学的根拠が示す内容は異なる事がわかります。なのでそのページが何を根拠にしているかということが大事です。引用もなく効果を謳うようなページは特に怪しいので注意が必要です。

後編に続く…

参考文献

  1. Green tea for weight loss and weight maintenance in overweight or obese adults

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