朝食を抜くダイエットは良い?悪い?【朝食を抜くと体重が減るのか増えるのか徹底解説】

ダイエット
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朝食をめぐる論争

 みなさんは朝食に何を食べますか?ご飯派?パン派?

 それとも朝食は食べない派ですか?

 「健康な一日は朝食から」とか「朝食を抜くと逆に太る」とか、色々な朝食に関するメッセージをインターネット上やテレビ、雑誌などで目にしますよね。

 一方で、「1日3食は必要ない」とか「断食が身体にいい」とか言う人もいます。

 この朝食を抜くことが身体にいいのか、悪いのかという論争について総合診療医である筆者が科学的根拠に基づいて解説していきたいと思います。

ちなみにこの記事で検討するのは大人を対象とします。子供に関する朝食の研究は多く、朝食のメリットが多く示されています。

朝食に関する意見の対立

朝食推進派の意見

まずは、朝食を食べたほうがいいと言っている人たちの意見を見てみましょう。ネット上には様々な朝食支持派の意見が出ています。

  • 朝ごはんを食べたほうが午前中活動的になれる
  • 体内リズムが整う
  • 朝食を食べている人のほうが高収入
  • 朝を食べないと昼食べ過ぎる

 体内リズムというのはよく言われますが、そもそも体内リズムという概念がなかなか証明しにくいものなのでなんとも言えないですね。朝食を食べている人が高収入というのは相関をみているだけなので、朝食を食べると高収入になるという因果があるわけではないことに注意が必要ですね。

朝食は不要だという人たちの意見

次に朝食は不要だという人たちの意見をみてみましょう

  • 朝食を抜いた方が午前中眠くならない
  • 朝食分のカロリーを抑えることができる
  • そもそも1日3食にする根拠はない
  • 朝食を普及しているのは企業の陰謀だ

 1日3食という文化がない国もありますし、日本でも昔は朝食をとっていなかったなんて話もあるようなので3食とらなければいけないというのはどこから出てきたのでしょうか。企業の陰謀なのかは私には分かりませんが、そういうことを唱える人は必ずいますよね。

朝食とダイエットに関する科学的根拠

 このブログでは研究結果に基づいた科学的根拠を大切にしています。

 ということで今回も朝食とダイエットに関する研究を紹介します。

2019年に世界的に権威のある医学雑誌BMJ(British Medical Journal)に掲載された研究です。1)

 この研究はSystematic ReviewとMeta-analysisという過去の研究結果を調べてまとめるという手法の研究で、最も科学的根拠のレベルが高い研究です。1990年から2018年の間に行われた朝食とエネルギー摂取量もしくは体重との関連を調べた臨床試験(ランダム化比較試験)の結果を集めて検討したものです。結果として13個の研究が見つかりました。

朝食とエネルギー摂取量の関係

 朝食とエネルギー摂取量の関係性を調べた介入試験は10個見つかりました。

 結果としては、「朝食を抜いている方が1日の摂取エネルギーは低い」という結果になりました。

 朝食を抜くとその後の昼食で食べ過ぎるという仮説は否定される結果になりました。

 朝食を抜くと平均して1日あたり250kcalのカロリー削減になるという結果なりました。この結果からは、朝食を抜くだけで36日で1kgずつ脂肪が減っていく計算になります。

朝食と体重の関係

 朝食を抜いた方がエネルギー摂取量を抑えられることがわかりましたが、肝心なのは本当にそれで体重が減るのかということです。朝食をとらないと代謝が落ちて痩せないという説を唱える人もいるので、本当に体重が減るのかが大事です。

 7つの臨床試験が朝食を抜くことと体重の変化を検討していました。研究により観察期間が2週間〜16週間と差がありましたが、平均すると7週間での体重の変化を見ていました。

 結果として、朝食を抜くと平均して-0.44kgの減量効果がありました

 エネルギー摂取量から計算すると7週間なら1kg以上減ることが期待されましたが、実際には0.5kg程度の減量効果でした。減量効果しては2ヶ月で0.5kgととても小さいので朝食を抜くだけで、ダイエットを実践するのは難しいかもしれません。

 少なくとも「朝食を抜いたら逆に太るは間違い」であるとは言えると思います。

私は朝食を食べるをやめました

 この論文を呼んだからというわけではありませんが、私は半年以上前から朝食を摂るのをやめています。

 朝は、豆を挽いて淹れたコーヒーを1杯飲むだけです。最近はバターコーヒーにしてたりしますが。

理由としては

  • 朝は胸焼けがしてあまり食欲がない
  • 朝食を摂ると午前中眠気がでる
  • 朝食を抜いている日の方が、昼食前の空腹感が少ない

といったところです。

 個人的には、糖質を含む食事をすると血糖が上がり眠くなったり、身体がだるくなるという体質に気付いたので朝食を辞めてみました。すると出勤後の倦怠感や眠気から開放されました。また、午前中に外来をやっているといつも11時をすぎるとお腹が空いてきてパフォーマンスが落ちる感じがしていたのですが、朝食を抜いた日の方が空腹感や頭がまわらない感じが少ないことに気づきました。

 そして、朝食を食べるのを辞めた結果半年で5kgくらい体重が減りました。今は糖質制限をしていますが、その前は昼食はラーメンを食べたり、デザートを食べたりしていましたがそれでも体重が減りました。他にも自転車通勤したり、夕食を子供に合わせたメニューにしたりしている影響もあるとはあります。

 ということで私個人的には、朝食を抜いた方が体調もよく仕事のパフォーマンスがあがり、更に体重もうまくコントロール出来ました。

まとめ

 研究結果からは、

朝食を抜いた方が太るということはなく、むしろエネルギー摂取量が減り、体重が少しだけ減る可能性がある

と言えると思います。

絶対に朝食を抜いた方がいいというほどの根拠はありませんが、朝食を抜いた方が調子がいい人は、1日2食にしても良いかもしれません。

 朝食を卵2つに置き換えると体重が減るという研究もあります。

 詳しくはこちらの記事を

参考文献

  1. Effect of breakfast on weight and energy intake: systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials

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