コレステロールを下げる食事の3つのポイント

脂質異常症
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コレステロールを下げるには食事の3つのポイント

コレステロールが高いと言われていませんか? 

家族がコレステロール高くて心配じゃありませんか?

そんなあなたにコレステロールを下げ、心筋梗塞や脳梗塞にならないための食事のポイントを解説します。

コレステロールを下げる食事のポイントは次の3つです。

  • 身体にいい油を選び、悪い脂を避ける
  • コレステロールの多い食品を避ける
  • 食物繊維をたくさん摂る

具体的にこれらのポイントを解説していきます。

身体にいい油(不飽和脂肪酸)と悪い脂(飽和脂肪酸)

「油や脂質は身体に悪いからなるべく摂らないほうがいい!」というイメージありませんか?

それは「半分正解・半分間違い」です。油や油脂の中にも身体にいいものと身体に悪いものがあることが最近分かってきました。身体にいい油は、不飽和脂肪酸を多く含むもので、コレステロールを下げて心筋梗塞や脳梗塞を予防する効果があります。身体に悪い脂は、悪玉コレステロール(LDL)を増やして、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めます。

身体にいい油身体に悪い脂
成分不飽和脂肪酸が多い飽和脂肪酸が多い
特徴常温でも液体
植物由来
常温で白く固まる
動物由来
具体例オリーブオイル
ごま油
大豆油
魚の脂
バター
マーガリン
ショートニング
肉の脂身
ラード
効果コレステロールを下げる
動脈硬化を予防
コレステロールを上げる
動脈硬化を進める

 常温で固まるかどうかがイメージしやすいと思います。肉の脂身やバター、マーガリンなどは常温で白く固まってますよね。これらは身体に悪い飽和脂肪酸が多い脂です。一方で身体にいい不飽和脂肪酸は、常温でも液体でオリーブオイルやごま油などがあります。

 料理によく使うサラダ油は、植物由来なので基本的に飽和脂肪酸低めです。原料にもよりますが、「コレステロールゼロ」と表示があるものは、表示基準で飽和脂肪酸が100gあたり1.5g未満を満たしているので大丈夫だと思います。ちなみにコレステロールは動物の体内で合成される成分なので、植物油にはそもそもあまりコレステロールが含まれていません。

 油や脂質は料理を美味しくしてくれる成分ですが、どの油を使うかで身体への影響が変わってくるので賢く選びましょう!いくら身体にいい油でも摂りすぎるとカロリー過多になるので、あくまで置き換える程度にしましょう。

コレステロールが多い食べ物

 コレステロールが多い食べ物を食べ過ぎると血液中のコレステロールも増えます。コレステロールは、動物の体内で作られるため肉類や卵に多く含まれます。

  • 卵類:鶏卵、うずら、たらこ、すじこなど
  • 内臓:レバー、うなぎの肝など
  • 魚介類:ししゃも、いかなど

 焼き鳥のレバーなどは美味しいし、鉄分も多いですがコレステロール多めですね。動物の身体でも肝臓などの内臓でコレステロールが作られるので、内臓はコレステロール多めです。魚なども肝を避けて食べることでコレステロールを減らせます。

 実は最近は、コレステロールの制限はあまり意味がないとも言われています。血中のコレステロールの80%は肝臓で作られるものなので、食事由来のコレステロールは20%しかないのでコレステロール制限の効果は限られてしまいます。コレステロールは1日300mg未満と長らく推奨されていましたが、最近の研究の結果コレステロールを300mg以上摂っても心筋梗塞や脳梗塞のリスクは上昇しないのではないかと言われています。1)  今後コレステロールを摂取の目標値は変わる可能性がありますが、普段の食事の中でコレステロール多めの食品は少なめにするなど控えておきましょう。

卵は食べていいの?

卵(鶏卵)は、コレステロールが多い食品の1つです。たまご1個あたりコレステロール252mg含まれています。1日のコレステロールの摂取量の目安は300mgと言われているので、卵1個で1日の目安の大変を占めてしまいます。

しかしながら卵はタンパク質も多く、ビタミンも豊富な食品なのでぜひともとりいれたい食品です。

結論を言うと、「1日1個程度なら卵を食べても平気」だと思います。

卵の摂取量と心筋梗塞や脳梗塞の発症に関する研究は多くありますが、結果は心筋梗塞・脳梗塞の発症リスクを上昇させるというものと変わらないというものがあり答えが出ていません。

2019年に発表されたアメリカ人約3万人の追跡調査では、1日あたり卵を半分食べるごとに心筋梗塞や脳梗塞のリスクが1.06倍になるという結果がでました。2) しかし、1日あたりのコレステロール量で調整すると卵の影響は消えました。つまり、卵が絶対的に悪いというよりは1日にとるコレステロールの総量が大事ということです。また、1日あたり100kcal分の加工肉を卵に置き換えると心筋梗塞や脳梗塞のリスクが24%も減るという結果もあり、卵よりも飽和脂肪酸の多い加工肉などを避けた方が良いと考えられます。1)

食物繊維が多い食べ物

 食物繊維は、コレステロールの吸収を抑えたりする作用があり、食物繊維の摂取は心筋梗塞や脳梗塞の予防効果があることが証明されている。3)

 さらには、食物繊維を多く摂ると、便通の改善、糖質の吸収を抑える作用も期待できます。

 日本人の食事摂取基準(2020年版)によると食物繊維の理想的な摂取量は、24g/日であるが、日本人の摂取量の中央値は13.7gとなっており日本人は食物繊維が不足しがちです。今より5〜10gの食物繊維を摂ることをおすすめします。

食物繊維には、水溶性の食物繊維と不溶性の食物繊維があります。どちらもバランス良く摂取することが重要です。水溶性食物繊維を1g多く摂ると、LDLコレステロールが2.2mg/dl下がると言われています。4)

食物繊維を多く含む食材
穀類玄米、全粒粉、オートミール、大麦、ライ麦など
豆類、ナッツ類大豆、ごま、くるみ、アーモンド、ピーナッツなど
フルーツプラム、レーズン、桃、キウイ、りんご、いちごなど
野菜枝豆、トマト、ブロッコリー、大根、人参、芋類など
海藻類昆布、わかめなど

 普段の食事にサラダやフルーツをプラス一品したり、主食を玄米や全粒粉パンなどに変えたりすると食物繊維を多く取れます。

食事制限の効果

 コレステロールを下げるには上で述べてきた食事のポイントが大事です。食生活の改善と減量を行うとLDLコレステロールが5−7%程度改善することが報告されています。5)

 なので、LDLが少し高めという人は、食生活や運動などでLDLをコントロールできる可能性があります。しかしながら心筋梗塞や脳梗塞になったことがある人や糖尿病がある人たちは、LDLを20%以上下げる必要があるので薬を併せて検討した方がいいと思います。

 コレステロールを下げる薬について知りたい方はこちら

参考文献

  1. Dietary Cholesterol and Cardiovascular Risk: A Science Advisory From the American Heart Association
  2. Associations of Dietary Cholesterol or Egg Consumption With Incident Cardiovascular Disease and Mortality
  3. Dietary Fiber, Atherosclerosis, and Cardiovascular Disease
  4. Cholesterol-lowering effects of dietary fiber: a meta-analysis.
  5. Usual care dietary practice, achievement and implications for medication in the management of hypercholesterolaemia. Data from the U.K. Lipid Clinics Programme.

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