血圧が高くなくてもおすすめ!医師が教える減塩の3つのポイント

salt 高血圧
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減塩の効果

 高血圧のメインの治療は、生活習慣改善です。その中でも減塩は、非常に大切です。減塩の効果は科学的にも証明されており、高血圧の人が塩分摂取量を約5g/日減らすと収縮期血圧(上の血圧)が5mmHg下がることが報告されています。1) さらには、高血圧の人の脳梗塞による死亡のリスクを14%下げ、心筋梗塞による死亡リスクを9% 低下させます。普段の塩分を控えるだけで、薬を飲むことを避けられたり、脳梗塞や心筋梗塞になって死亡するリスクを下げることができます。

血圧が高くなければ塩分制限しなくてもよい?

 減塩の効果は、血圧が正常範囲内の人にもあります。減塩によって下がる効果は高血圧の人よりは少ないですが、正常血圧の人でも減塩によって脳梗塞や心筋梗塞のリスクを下げることができます。1) 将来高血圧にならないためにも普段の摂っている塩分量を気にかけてみましょう。

目標塩分量

 減塩の目標は、食塩摂取量を6g/未満とすることです。令和元年(2019年)の国民健康栄養調査の結果では日本人の食塩摂取量の平均は10.1g/日であり、多くの日本人が食塩を摂りすぎていることが分かります。3) 血圧が高くない人でも食塩摂取量の目標値は8g /日とされており、ほとんどの人が減塩に取り組む必要があると言えます。このことから高血圧の人は1日あたり5g程度の減塩を、血圧が高くない人も3g程度の減塩を心がけるといいと思います。

減塩のコツ3つ

  • 塩分量を確認する
  • 減塩調味料は計量して使う
  • 汁物を全部飲まない

塩分量を確認する

 まずは、自分がどれくらい塩分を摂っているかを知る必要があります。尿検査で尿に含まれているナトリウムを測定して1日の塩分摂取量を推定する方法もありますが、誤差も大きいのでわざわざそこまでしなくてもいいと思います。日本人の大半が塩分の摂りすぎなので、普段からよっぽど気をつけていない限りあなたも塩分の摂りすぎだと思います。 次に、自分が普段摂っている食事にどれくらい塩分量が含まれているかを知りましょう。塩分が多い食品やメニューの例をご紹介したいと思います。

メニュー塩分量
そば・うどん5-6g
ラーメン5-6g
ハンバーガー1個1-2g
フライドポテト1g 
幕の内弁当3~5g
鮭弁当6-7g
牛丼4-5g
パスタ3-4g

 よく食べそうなメニューの塩分量を載せてみましたが、みなさんの思っていた塩分量と比べてどうでしたか?うどんやそば、ラーメンなどは、非常に塩分量が多いメニューです。麺類はつゆやスープに多く塩分がふくまれるため、スープを飲み干さないことや、うどんやそばならかけではなくつけ汁にしたほうが摂取量は少なくなります。さらには、うどんは麺自体に塩分が入っているためうどん1玉でも麺だけで1.1gの塩分量となることに注意が必要です。弁当類はメニューにもよるので、コンビニなどで買う際には成分表記をみて塩分量を確認しましょう。
例えば、セブンイレブンの場合

弁当塩分
海苔弁当2.1g
炭火焼き牛カルビ弁当3.4g
お好み幕の内弁当2.8g
大盛りごはん!チャーハン&チキン南蛮8.6g
肉あんかけチャーハン5.1g

とメニューにより塩分量にばらつきがあります。買う前に商品の裏をみて塩分量(とカロリー)をチェックしましょう。

減塩調味料は計量して使う

 減塩に取り組む際に一番イメージするのが、”減塩醤油”などの減塩調味料ではないでしょうか。減塩調味料はどれくらい効果があるのでしょうか。

醤油の場合

キッコーマンのHPをみると

商品名大さじ1杯あたりの塩分量(15ml)
しぼりたて生しょうゆ2.4g
しぼりたてうすくち生しょうゆ2.2g
塩分ひかえめ丸大豆生しょうゆ1.9g
味わいリッチ減塩しょうゆ1.4g
超減塩しょうゆ0.8g

減塩醤油にも「塩分控えめ」と「減塩」と「超減塩」と様々な種類があることが分かります。「減塩醤油」だと大さじ1杯あたり、0.8gの減塩をすることができます。一般的にはうすくち醤油の方が塩分量がおおいとされていますが、キッコーマンのこの製品ではうすくち醤油の方が塩分量が少なかったです。

味噌の場合

味噌についてもマルコメのHPをみてみると

商品名100gあたりの塩分量味噌汁1杯あたり(18g)の塩分量
料亭の味(無添加)10.6g1.9g
料亭の味(だし入り)11.4g2.1g
料亭の味減塩(無添加)8.4g1.5g
料亭の味(だし入り)8.4g1.5g

味噌にはだし入りと無添加がありますが、だし入りのほうが塩分量が高いようです。減塩の場合は、20%程度塩分量が低くなっていますが、味噌汁1杯あたりだと0.5gの減塩になりそうです。

各種調味料の塩分量

調味料の塩分量

調味料の種類大さじ1杯の塩分量
食塩18g
醤油2.4g
味噌2g
ポン酢1.5g
ウスターソース1.5g
中濃ソース1.0g
ケチャップ0.5g
マヨネーズ0.2g
胡椒0g
0g

以上のように調味量によって塩分量は大きく異なります。醤油や味噌は塩分量が多い調味料です。ケチャップやマヨネーズは比較的塩分量が少ない調味料です。胡椒や酢は無塩です。なので料理をするときはなるべく醤油や味噌を少なくして、胡椒や酢で味付けをすると減塩になります。
例えば、餃子は醤油をつけることが多いですが、酢+胡椒で食べると減塩することができます。
「餃子+酢胡椒」で検索するとたくさん紹介ページが出てきます。実際に僕も餃子は酢胡椒で食べることも多いです。

減塩調味料を使う場合の注意点

 減塩調味料を使うときは必ず”計量して”使いましょう。料理をする時に計量せずに味をみながら調味料を加える人も多いと思いますが、その場合はせっかく減塩調味料を使っても多く使ってしまい減塩にならないことがあります。あくまで減塩調味料は、”同じ量で使った場合減塩になる”というだけです。また、減塩をする際に味をおいしくするために”ダシ”をうまく使いましょうとよく言われます。昆布や鰹節でダシをとるのは塩分がないですが、だしの素などの和風だしには塩分が含まれているものもあるので成分表示をみてから使いましょう! 醤油を使う場合もついついかけすぎてしまうので、次のようなプッシュ式の醤油差しを使うといいです。


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汁物を飲まない

 塩分量の多い食事としてラーメンやそば・うどんを挙げました 。うどんは麺にも塩分が含まれていることをお伝えしましたが、一番塩分が多いのはつゆです。ラーメンはスープまで飲むと一食で一日の塩分量に達してしまいます。スープを味見で数口飲む程度にすると塩分摂取量は3−4g程度に抑えることができます。それでも1日の半分の塩分摂取量になってしまうので、スープを残せばラーメンは気にせず食べてもいいわけではないですが、どうしてもラーメンを食べたいときはスープを残すようにしましょう。

 味噌汁も同様に汁を全部飲まないで具を食べて汁は残すようにすると減塩に繋がります。もったいない気もしますが、汁を飲むたびに自分の寿命が縮まると思えばできるのではないでしょうか。

まとめ

 今回は減塩のコツについてお伝えしてきました。まずは、どんな食事にどれくらい塩分量が含まれているかを知るのが大切です。高血圧の人は1日5g、血圧が高くない人でも1日3gの減塩を試みるように、紹介したポイントを組み合わせて美味しく楽しく減塩しましょう。

 減塩以外に気をつけるべき生活習慣改善は?

参考文献

  1. Effect of modest salt reduction on blood pressure: a meta-analysis of randomized trials. Implications for public health.

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