血圧計の選び方
血圧が高めの人が最初にするべきことは、“自宅で血圧を測ること”です!自宅に血圧計がない人はまず血圧計を購入しましょう!総合診療医の目線で血圧計の選び方のポイントを解説していきます。
血圧計の値段
まず気になるのはお値段でしょう。血圧計の値段は本当にピンきりで、1000円台〜1万円台まであります。高級な方がいいとか、安くても大丈夫とかはなんとも言えませんが、長く使うもなので予算に合わせて良いもの買いましょう。選ぶポイントは、種類が大事だと思います。
血圧計の種類
血圧計には大きく分けて”手首式”と”上腕式”があります。基本的には、”上腕式”がおすすめです。手首式と上腕式の違いを表にしてみました。
手首式 | 上腕式 | |
価格 | 安い(1000円台〜) | 高い(5000円台〜) |
大きさ・重さ | 小さい・軽い | 大きい・重い |
測定の難しさ | やや難しい | 簡単 |
正確性 | やや劣る | 正確! |
表のように手首式の方が価格が安く、小さくて持ち運びもしやすいメリットがあります。しかしながら手首式は、測定方法を気をつけないと誤差が出やすいというデメリットがあります。一方で上腕式はやや価格が高く、大きさも大きくて持ち運びはしにくいですが、測定による誤差ができにくい特徴があります。基本的にガイドラインでも上腕式が推奨されており、医療機関でも上腕式を用いているので上腕式をおすすめします。1)どうしてもお財布の都合で難しい場合や持ち運びたい場合には、測らないよりはマシなので手首式でもよいですが測り方のポイントに注意してください。
おすすめの血圧計
上腕式であれば基本的にはどれでも問題ないですが、どうしてもおすすめを教えてほしいという人のためにクリニックなどでも使うものの例を示しておきます。オムロンやテルモは有名な医療機器メーカーなので、医療機関でも使われている事が多いです。スマホとの連携機能などもものによってはついているので、予算にあわせて選ぶとよいと思います。
クリニックでも使っているオムロンの血圧計
血圧の正しい測り方
血圧を測る際の3つのポイント
血圧測定の手順(上腕式)
- トイレを済ませる
- 机がある椅子に座ってリラックスする
- 厚手の上着を着ている場合は脱ぐ
- カフを上腕の肘から2cm程度上に巻く
- カフにつながるチューブの位置を前面(肘の曲がる方向)に持ってくる
- カフと腕の間に指がぎりぎり入るくらいまでカフを締める
- 血圧計のスイッチを押して血圧を2回測定する
トイレを我慢していると血圧が上がってしまうので、トイレを済ませてから測りましょう。毎日血圧を測る場所を決めて、同じ姿勢で測りましょう。分厚い服の上からでは血圧が正確に測定できません。肌着やYシャツ程度なら大丈夫ですが、セーターやトレーナーなどは脱いで測ったほうがいいと思います。
詳しい手順が解説してあるページ(オムロンのHP)
手首式の注意点
手首式を使う場合は、血圧計を巻いてある手首の高さが重要になります。手首の高さを心臓の位置(乳首の高さ)に合わせる必要があります。腕をおろした状態になると血圧は高く出て、腕を上げた状態だと血圧は低く出てしまいます。手首の位置による誤差が結構大きいので、基本的には上腕式の血圧計をおすすめします。
血圧を測るタイミング
血圧は朝計るようにしましょう。血圧測定の条件は、
もし余裕があれば、夜寝る前にも測って記録してもらえると医師としては参考になります。夜は低いけど朝が高いタイプなどでは、薬のタイミングを調整したりします。
何回測る?
自分が期待する血圧が出るまで何回も測る患者さんがよくいます。あるいは、最初に出た血圧が高くて不安になり測り直すとどんどん血圧が上がっていく人もいます。基本的には、血圧は続けて2回測り、平均値を記録することが勧められています。面倒であれば1回でも構いませんが、4回も5回も測るのはやめましょう。
病院で測る血圧と違う?
家で測る血圧と病院で測る血圧が全然違う人がいます。病院で測ると高いけど家では正常血圧の人を白衣高血圧と呼びます。逆に病院では正常だけど家では血圧が高い人を仮面高血圧と呼びます。白衣高血圧は、その後高血圧に移行するリスクが高く、仮面高血圧の人は心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高い事がわかっており、どちらも重要な問題です。家での血圧と病院での血圧に差がある人の中には、血圧計が壊れていたり、測り方が間違っている人もいるのでかかりつけ医に相談してみましょう。そのような患者さんには、自分の血圧計を持ってきてもらい実際に診察室で普段どおり血圧を測ってみて手順や測り方を確認したりもします。
まとめ
以上のポイントをおさえて、正しく血圧測定をしましょう!まずは測ってみるのが大事なので、完璧じゃなくてもなんどか測ってみてください。
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