血圧が高いとどうなる?高血圧は早死のもと?

高血圧
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血圧が高いとどうなる?

 健診などで血圧が高いと言われたけど、放置してませんか? 

 血圧が多少高くても何も症状はないし、「本当に高血圧って大事なの?」って思っている人は結構多いです。実際に「俺はこれくらいの血圧が丁度いいんだ」と言う患者さんと出会うこともあります。 

 この記事では、「高血圧ってほんとに大事なの?」って思っているあなたに血圧が高いことの問題点をお伝えしていきます。 

血圧が高いことのデメリットをひとことで言うと”早死にする確率が上がる”ということです。 

 日本人の死亡の原因を調べた研究では、タバコに引き続き高血圧が2番目に多い死因と報告されており、年間約10万人が高血圧が原因で死亡していると推定されています。1) 

 EPOCH-JAPANという日本各地で行われた研究をまとめた報告によると、40代〜60代の人は、収縮期血圧(上の血圧)が120mmHから10上がるごとに、死亡率が約1.2倍ずつ上昇していきます。2) 

 また、40代〜70代の死亡の原因の20%が高血圧だと推計されています。つまり、5人に1人は高血圧が原因で死んでいるとも言い替えられます。

高血圧と関連する病気

 高血圧で死ぬとはどういうことでしょうか?

 高血圧は次のような病気と関連しています。

  • 脳梗塞
  • 脳出血
  • 心筋梗塞
  • 心不全
  • 慢性腎不全

 これらの病気に共通することはなんでしょうか?

 それは、”血管の病気”ということです。高血圧は、動脈硬化を起こして血管をボロボロにしてしまいます。その結果脳の血管がボロボロになって血管が詰まってしまうと脳梗塞になり、血管が破けて出血すれば脳出血になります。

 脳梗塞と脳出血は合わせて脳卒中と呼ばれ、脳卒中になると脳がダメージを受けて手足が動かせなくなり寝たきりになったり、喋れなくなったり、食べ物を食べれなくなったりします。

 平成30年版高齢社会白書によると65歳以上の高齢者で介護が必要になった原因の約15%が脳卒中です。3)これは男性では一番多い原因(約20%)、女性では認知症に続いて2番目に多い原因です(約11%)。

 動脈硬化は脳だけでなく全身の血管に起こります。心臓の血管がボロボロになると心筋梗塞になり、死んでしまう可能性もあります。また、血圧が高いと血液を全身に送り出すポンプの役割をしている心臓に負担がかかり、心臓が弱ってきて心不全という病気担ってしまいます。

 血液の毒素を尿から排出してくれる腎臓も細い血管がたくさんある臓器なので、血圧が高い状態が続くと腎臓がダメになってきて(慢性腎不全)、最悪の場合自分の腎臓が機能せず血液透析を受けることになってしまいます

健康寿命を伸ばすために血圧は重要

 以上のように血圧は主に脳卒中や心筋梗塞などの脳血管疾患の発症の大きな原因となっています。

 これらの病気は後遺症が残り日常生活に制限が出たり、介護が必要な状態になったりします。健康に長生きするためには普段の血圧の管理は非常に重要です。

 そのため、政府も健康日本21という目標の中で日本人の血圧を下げることを目標に掲げています。4) 

 血圧が高いことを言われていたのに放置していて、脳梗塞で入院して初めて自分の血圧を気にするようになる患者さんを何人も見てきました。

 せっかく血圧が高いのを見つけていたのに本当にもったいないと思います。この記事を読んだ人は、ぜひとも病気になる前に自分の血圧にも気を払ってください。

 まずは、自分の血圧を測ってみましょう! 

高血圧の基準に関してはこちら 

参考文献

  1. Adult mortality attributable to preventable risk factors for non-communicable diseases and injuries in Japan: A comparative risk assessment.
  2. Relation of Blood Pressure and All-Cause Mortality in 180 000 Japanese Participants. Pooled Analysis of 13 Cohort Studies
  3. 平成30年版高齢社会白書
  4. 健康日本21|厚生労働省

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