人間ドックは受けた方がいいのか?
これに関しては様々な意見があるとは思いますが、個人的には「人間ドックは受けなくていい」と思っています。
なぜかというと本当に受けるメリットがある検診は、生活習慣病の特定健診や市町村が実施しているがん検診に含まれているからです。
わざわざ高額なお金を払って同じ検査をする必要はないですし、人間ドックのオプションでできる検査には効果が証明されていない検査ややることの害が証明されている検査もあります。
これを言うと人間ドックをやっている病院から苦情が来そうですが…
なぜ私が、人間ドックを受ける必要がないと思うのか解説していきます。
人間ドックは、病気を早期診断するためのもの
そもそもなんのために人間ドックを受けるのか。
それは、”症状がないうち”に病気を早く見つけるためですね。
病気を早く見つけると、早く治療ができて、寿命が伸びる!
と言うのが、人間ドックを正当化する理由ですが、これは事実なのでしょうか…
早期発見=寿命が伸びるとは限らない
病気を早くみつけても寿命が伸びるとは限らないのです。
これは、直感的には理解し難いと思います。
リードタイムバイアス
早期発見が寿命を伸ばさない理由の一つとしてリードタイムバイアスというものが挙げられます。
図のように早期発見したことで、診断から死亡するまでの寿命が伸びるように見えます。しかし実際には死亡する年齢は変わらず、寿命は伸びていないということです。
なので寿命が本当に伸びたかどうかを判断するのは難しいのです。
検診を受けることのデメリット
検診を受けることのデメリットについて意識したことありますか?
「検査は受ければ受けるほどいい」と思っている人は多いんじゃないかと思います。
人間の体を隅々まで検査すると何かしらの異常が見つかります。
この異常の中には病気もあれば、そうでない物もたくさん有ります。
病気ではない異常を見つけた場合、本当に病気じゃないか追加の精密検査が必要なこともあるし、場合によっては定期的な検査が必要になる場合もあります。
この場合は、本当は害もないし健康に問題がない異常を検査で見つけることによって問題が生じているといえます。
CTでの肺の異常な影や良性腫瘍などがこれに当たります。
〇〇さんは人間ドックで癌がみつかった!?
知人が人間ドックで病気が見つかったと聞くと「人間ドックを受けたほうがいいのかな?」と思いますよね。
でもこれはあくまで一例です。
人間ドックを受けることで恩恵を受けた人がいることは事実です。
ただし、恩恵を受ける確率と、利益がないもしくは害がある確率を比較したのが研究の結果(エビデンス)です。
このエビデンスがある検査は、特定健診と市町村のがん検診に含まれています。
なので逆に人間ドックでしかできない検査は、エビデンスがないものがほとんどです。
結論
特定健診や市町村のがん検診を受けていれば、人間ドックをわざわざ受ける必要はない!
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